No.491 | 懐かしき古きレコードの復活 | 苅田町白川 |
隣の実家の納屋の整理をしていると埃まみれの数個のダンボール箱が出てきた。
中を開けてみると、私が高校時代に使っていたステレオのセットであった。
今から約四十年以上も前の1970年代中頃のパイオニア製である。
箱は埃まみれであったが、中身の機器はビニール袋に入れてあったので意外と当時のままであった。
箱から出してみると、アンプ、チューナー、レコードプレイヤー、カセットプレイヤー。
そして箱の傍にビニールのかかったスピーカーもあり当時のセットが一式残っていたのである。
そう言えば、実家の部屋の片隅に昔のレコードがそのまま放置されてるのを思い出した。
もしかしたら、このステレオはまだ聴けるかもと思い、ダメモトで箱から出して埃を清掃し組み立ててみた。
流石にアンプのスイッチを入れる時は緊張したが、スイッチを入れた瞬間にガリっという音がしたものの無事に立ち上がった。
チューナーのスイッチを入れてみると嬉しいことに音が出てきてくれた。
カセットプレイヤーもまだ動いたが聴くテープがない。二年前に学生時代に録音しためたセットテープを全て処分してしまったことを思い出し惜しいことをしたと思ったが、
まだ昔のLPレコードは残っている。もしかしてレコードプレイヤーは無事かとも思ったが、中を見てみるとベルトが粉々になり、針も得たいがしれない。
こうなるとなんとしても無性にレコードが聞きたくて仕方ない衝動に駆られる。
夜中に焼酎をチビチビ飲みながらネットを見ていると意外と今でもレコードプレイヤーが売られていることに驚いた。
高価なものから廉価版までいろいろある。ネットでいろいろ見ていると酔った勢いか、思わず「カートへ入れる」を押してしまった。
まあここは先ずは試しにと思い切って比較的安価なDENONのDP200USBを購入してみることにした。
安価だが、USBポートがついておりアンプなしでもそのままでアナログレコードをMP3のデジタルファイルに落としてくれる機能もついている。 数日後、プレーヤーが届いた。早速、昔のレコードを聞いてみようとレコードを出してみるとなんとカビだらけ。まあ40年も放置していたのだから当然である。 さすがにカビだらけのレコードを新品のプレイヤーで聴く気にもならない。 ということで、先ずはレコードのカビ落としの洗浄だ。 ネットで調べてみると、薄い中性洗剤で柔らかいガーゼやスポンジでジャブジャブと水洗いすればいいとあったので、早速、道具を準備して洗浄してみる。 最初はスポンジで恐る恐るゆっくりと洗っていたが、そのうち大胆にジャブジャブ洗いとなる。 中心の紙のレーベルはあまり濡らさないように気をつける。洗剤のあと、水道流水で念入りに濯ぎ、水を切ったあと、柔らかいガーゼで表面の水をふき取る。 そして一晩ほど常温で乾燥させるのだが、この乾燥が意外とやっかいだ。両面がうまく乾燥するようにどこかに置かないといけない。 何かいいものはないかと百円均一をウロウロする。結局、金網を買ってレコードの穴に入るフックを取り付けてレコードをぶら下げることにした。 フックを付けた金網を流し台の一角に取り付けて乾燥場の出来上がりだ。 こうやって洗浄したレコードにこれまたネットで購入した帯電防止のレコード用スプレーをかけて拭き、早速聴いてみる。 先ずは私が大学時代によく聴いていたお気に入りの風のファーストアルバムだ。 針を落とすと懐かしいジリジリという音が聞こえてきたかと思うと、かなりクリアーな音が流れてきた。 アコースティックギターの音がなんとも懐かしく予想以上に綺麗な音に感激した。 その後、日田出身の山崎ハコのライブレコードをかけてみると、これまたギターと山崎ハコのか弱くも力強い歌声に鳥肌がたってきた。 ステレオのセットは40年ほど前のパイオニア製で高価なグレードではないが当時の私にとっては貴重なステレオである。 それが予想以上にいい音でなってくれたので実に嬉しくなった。 当時のレコードを聴いていると懐かしい青春の一ページが頭の中に蘇ってくる。 今は、聞きたいレコードを順番に洗浄しては聞くという繰り返しだ。 昔のレコードが蘇る。これがまた実に楽しい作業だ。 しばらくは楽しい時間が過ごせそうだ。 Taka記、撮影:2016年2月 |
▲ 流し台に取り付けた簡易のレコード吊るし乾燥場 |
▲ 100円均一で購入した金網とフックで作成。 |
▲ 洗浄したレコードを入れるための内袋と外袋もネット購入。 |
▲ お気に入りの昔の懐かしいレコードが少しづつ蘇ってくるのが嬉しい。 |