白川の里から 今週の1枚

No.488 他城のイロハモミジ 築上町寒田


福岡県築上町寒田の奥に1本のイロハモミジがある。そして、その名前は「他城のイロハモミジ」と呼ばれている。
城井川上流の谷合いの林道の横に、ポツンと1本立っており、秋の紅葉期になるとそれは見事な色に染まる。
寒田地区は黒田官兵衛の宿敵であった宇都宮氏の地であった城井谷の奥にある。 城井川沿いに県道32号線をずっと進んでいき、「本庄の大楠」を過ぎ、更に奥の牧の原キャンプ場を過ぎて少し行くと、道は鉾立峠へ登る道へ右にカーブするがそこに、宇都宮氏の居城の一つであった「城井ノ上城址」の入り口がある。 車は林道のもう少し先の水子地蔵尊まで入れるが道が狭いのでこの林道入口に止めるほうが無難である。 林道を歩いていくと「城井ノ上城」の守り要であった巨岩「三丁弓の岩」が現れる。道は狭く片側は城井川の崖となっているので、攻めてきた敵を防ぐのにこの岩において三丁の弓で足りたと言われている。 しばらく進み水子地蔵尊を過ぎると左手に「城井ノ上城址」への登り口があるが、ここを見送り更に真っ直ぐ林道を少し行くと、林道を奥に大きな1本のモミジの姿が見えてくる。 紅葉期であれば緑の森の中に1本だけ赤くなったモミジが見えてきてすぐにわかる。このモミジの紅葉を見るには昼の11時から14時くらいまでがいいようだ。 山に囲まれた谷の中であるため、朝と夕方にはこのモミジに太陽の陽があたってくれないのである。ちょうど太陽の陽が射している時の姿は暗い谷の中でボンボリのように赤く光り輝き、思わず声が出るほど見事である。
そのイロハモミジに会いに今年も出かけた。今年はどこも紅葉が早いと聞いていたので、11月初旬に行ってみたが、まだ木の上部あたりがほんのり色づき始めた状態だった。 これはあと一週間後が見ごろかなと思ってタカをくくっていたら、どうも数日後の「紅葉祭り」の週末はちょうど見ごろであったようだ。 私が行った一週間後は既に少し遅く、紅葉は少し黒ずみ、風に葉がチラチラと散り始めていた。それでもまだまだその姿は綺麗で、今年もまた十分に楽しませてくれたので、その時の写真を紹介します。 Taka記、撮影:2015年11月11日



▲ 11月初旬(4日)の姿。木の上部から次第に紅葉が始まり始めている。
緑とと色づき始めたグラデュエーションも美しい。

▲ そして、一週間後の姿。少し遅ったが見事に赤色へ紅葉しており、まだまだ十分見応えがあった。

▲ 黒い幹と紅葉のコントラストが美しい。

▲ 迫力ある幹と紅葉の錦絵の世界が広がる。


▲ 幹の額縁の中を紅葉が彩る


▲ 赤、黄色、緑が混じった紅葉

▲ まだ色づきかけてる葉もある

▲ 苔むした幹の上に・・・

▲ 紅葉の落ち葉が彩りを添えていく

▲ そして、イロハモミジの木の下の渓流は落ち葉で彩られる

▲ 流れに浮かぶ紅葉がいつまでも漂っていた

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