今週の1枚

No.482 天然のエアコン「青龍窟」 苅田町白川
夏の鍾乳洞は涼しい!
鍾乳洞内の気温は一年中を通して、その地域の年平均気温であると言われている。 正確ではないがここ北九州地域だとおおよそ15-16℃程度だと思われる。 なので洞窟内は外気温に比べて、夏は涼しく、そして冬は暖かなのである。 まさしく一年中、天然のエアコンで制御されている空間と言える。
今年の夏は暑い。7月下旬、青龍窟へ行ってみた。 東洞口の前に来ると、洞口の入口に白いモヤのカーテンがかかっていた。 洞窟内の冷気で入口の外気が冷やされて小さな水滴となり、それに光があたってカーテンのように見えるのであろう。 その前にくると、あふれ出る冷たい冷気により生き返った気分になる。
まさしく冷蔵庫の扉を開けた瞬間の気分を味わうことができるのである。しばらく入口で冷気で涼んだ後、洞口内を降りてみた。 地上から少し降りた程度であるが、洞口内は涼しくて別世界である。
ここ青龍窟の東洞口は等覚寺白山多賀神社の奥の院となっており、正面には豊玉姫を祀る祭壇がある。 いつものように祭壇にお参りし挨拶する。青龍窟は観光化されていないので内部には照明設備などなく、一般の人が入れるのはこの祭壇付近までである。 洞口内から入り口を見上げると、外から差し込む日差しで外気のモヤが漂っているのが良くわかった。
今年の梅雨は長かったので、洞口内の天井から龍神岩に水滴が激しく垂れ落ちていた。この梅雨時期だけの水量が多い時だけに見られる現象である。 久しぶりにカメラを取り出し、洞口内の写真を撮ってみた。 10年ほど前によくこの青龍窟で写真を撮っていたのを思い出し、懐かしさがこみ上げてきた。 気温が低いので、しばらくじっとしていると肌寒く感じるほどだ。
しばらく涼んだ後、洞口から出ると、外気のネチっとした生暖かい空気が肌にまとわりついてきた。
「ああ、外は真夏なんだ!」というのを実感する。   (Taka記、撮影:2015年7月下旬)

▲青龍窟東洞口入り口。既に冷気のモヤが漂っているのがわかる。

▲更に近づくと、あふれ出る冷気が流れてくる。まるで扉を開けた冷蔵庫の前に立ったようだ。

▲冷気のカーテンの下に、奥の院の祭壇が見える。

▲水滴が「龍神岩」に流れ落ちる。洞口から流れ込む外気が幻想的だ!

*現在(2015年7月)、等覚寺から青龍窟に続く林道は車両通行止めとなっていますので、
等覚寺林道入り口から歩く(徒歩約30-40分)か、平尾台側の茶が床から歩くかになります。

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