今週の1枚


No.184【2003.12.21】どこでもドア






今回はTAKEさんファミリーの心温まるお話である。
どこでもドア。そう、TVの人気アニメ「どらえもん」に登場する代表的なアイテムの一つである。「行きたいところへ、すぐに行きたい!」。そんな時にドラエモンのポケットから飛び出るのが、「どこでもドア」だ。目の前の空間に一つのドアが現れ、そのドアを開けると、そこは自分が行きたいと思っていた場所が目の前に広がる。ドア一枚で瞬間移動できる夢のようなアイテムである。

我が親友のTAKEさんは、ここ白川から毎日、車で通勤している。車通勤は普通であるが、通勤場所がなんと筑紫野市。ここ白川からだと、距離にして片道約65Km。時間にして、早朝で約1時間50分。これを毎日往復しているのである。早朝も早起きが必要で、夜も遅くなることが多い。これが、毎日ともなると、通勤だけで心身とも疲れ果ててくるのである。片道65Kmとはいかないが、45Km通勤している私には十分そのつらさがわかる。いつでも瞬時に移動できる「どこでもドア」があればほしい!そうすると楽になれるのに。疲れた時、いつも便利な「どこでもドア」が頭に浮かんだ。

ある日、いつものようにTAKEさんが自宅に帰り、ふ〜っとくつろいでいる時、小学校一年生の上の娘のY子ちゃんが、「ねえねえ、お父さん!お父さん、今、何が一番ほしい?」と聞いてきた。それを聞いたTAKEさんは、思わず「どこでもドア」と言ってしまったらしい。心の底からほしい物が、口をついて出たらしい。

それから、しばらくしたある日、Y子ちゃんが、「お父さん、お父さん、これプレゼント!」と言って、あるものをTAKEさんにくれたらしい。「なんだ、なんだ!」と開けて見ると、なんとTAKEさんがほしいほしいと思っていた「どこでもドア」であった。
惣菜などを入れる開閉式のスチロールの容器に、ちゃんと「どこでもドア」と書かれている。そのドアはきちんと、ピンクのヒモで閉じられていた。TAKEさんは、このドアを開けるとどこへ行けるのだろうと、ゆっくりそのドアを開けてみた!
すると、そのドアの向こうには、太陽がキラキラと輝く緑の世界が広がっていた。ドアの向こうは、毎日通勤する会社ではなく、TAKEさんの好きな自然いっぱいの山の世界であった。
TAKEさんはこの話を、「実は最近、本当に嬉しいことがあってよ〜!」と言って、私に切り出してくれた。その顔は本当に嬉しそうであった。

遠い通勤で疲れ、それを楽にするために、「どこでもドア」がほしいと思っていたが、ふとしたことから手にした「どこでもドア」を開けると、そこは会社ではなく、忙しくて最近、遠ざかっていた自然の世界であった。たぶん、TAKEさんが「どこでもドア」で行きたかったところは会社ではなく、大好きな自然の世界だったのであろう。そして、その気持ちを見事に娘のY子ちゃんが、感じ取り、プレゼントしてくれたのであろうと私は思った。

久しぶりにTAKEさんと美味い焼酎に酔った一夜であった。「夢一献」。まさしく、夢をひとつ献上してくれた夜であった。

撮影:2003年12月21日

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