No.161【2003.2.16】春はすぐそこ (早春の野の花との会話) |
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ここ最近、毎週のように山へ行っていた。 今週は久しぶりに家でのんびり。 我が家の庭の梅もほぼ満開。 顔を近づけると梅の香がぷーんと漂ってきた。 春はもうすぐそこ。 久しぶりに家の回りを散策した。 田んぼのレンゲ畑は既に緑色に変わり、ヒバリの囀りが聞こえて来る。 足元を見ると、色とりどりの早春の花が顔を出している。 小さな青紫色の瞳をパチリと開き、こちらをじっと見つめている「オオイヌノフグリ」。 「そんなに綺麗な瞳で見つめられると、こっちが恥かしいよ!」と声をかけると、 微笑んでいるかのように、早春の風に青い瞳が揺れた。 純白の小さな花びらを慎ましやかに広げた「ハコベ」。 緑の和服を纏った清楚なお嬢さんのようだ。 三つに分かれた雌しべのおちょぼ口をキリリと結び、じっとこちらを見つめている。 思わず、「よろしくお願いします!」と挨拶してしまう。 緑の半円形の宇宙船から、ひょーっと紫色の顔を立ち上げ、きょろきょろと辺りを見渡している「ホトケノザ」。 まるで、不審者がいないか見張っている偵察隊のように。 「おいおい!写真1枚くらい撮らせてくれよ!」とレンズを向けると、びっくりしたように下唇を張り出しポカンと口を開けてこっちを見ていた。 もうすぐ、春本番が来る。 そして、大勢の野の花の仲間に会うことができる。 今年もどんな会話ができるか楽しみだ。 撮影:2003年2/23 |