今週の1枚


No.158【2003.1.19】国東半島・無明橋 〜大分県国東・天念寺裏〜


天念寺付近の車道から遠望する無明橋
岩峰ヤセ尾根の途中(写真中央左側)
に空中に浮いた円弧状の橋が見える。


無明橋の上で昼寝


無明橋に立つ!

その名も「無明橋(むみょうはし)」。
大分県国東半島には「むみょうはし」と呼ばれる橋で有名なのが3つある。
ひとつが今回紹介している、川中不動・天念寺裏の無明橋。そして、中山仙境、津波戸山である。 他にもあるかもしれないが、私は知らない。漢字で書くと、無明橋もあれば無名橋と書かれるのもあるようだ。
国東半島は六郷満山と言われるようにかつて修験で栄えた地であり、風化したヤセ尾根には修験のための「行者道」 がいっぱいある。その行者道の途中に無明橋はある。
1/12、今年の山初登りで国東半島の田原山(鋸山)へ行った。その帰りに、山仲間と一緒に、 久しぶりにこの無明橋を訪れた。 私とっては約五年ぶりである。以前はよく訪れていたのだが、最近は足が遠のいていたので、 どうなっているか楽しみでもあった。

天念寺に到着。相変わらず断崖岩峰の下部にこじんまり佇んでいる。その前の川の中には 川中不動があり、川には鯉が泳いでいる。川中不動はかなり風化しておりその姿もわかりにくく なっている。駐車場の横にはレストハウスでも建つのか、新しい建物が建設中であった。 天念寺にお参りし、早速、無明橋への行者道散策へ出発。
ここは、グルリと周回コースがとれ、 所要時間は1時間程度である。 登り口の民家脇に行くと、ちゃんと「お山入り口」の看板が立っていた。以前はなかったので、 最近、訪れる人が増えたのかもしれない。この民家には以前は牛小屋があったのだが、今は もうなかった。牛の横を通っていったのが懐かしい。この看板、山の名前が「お山」というのが なんとも、ほのぼのとして嬉しい。

暗い竹林の中を上がっていくと、尾根の鞍部に出、そこから岩肌に伝って尾根を登って行く。 要所には鎖がつけられているが、山登りに慣れない人は危険であるので注意が必要だ。 特に雨の日などは行かないほうが無難だ。痩せた尾根伝いに進むと、途中に沢山の地蔵さん を奉った祠にも出会う。ヤセ尾根をしばらく進むと、このコース最大の難所の岩峰越えである。 傾斜が緩やかほうと、急なほうの二手で登ることができるが、両方とも鎖が接地されている。 急なほうは、結構、高度感を味わうことができる。 今回は山仲間が一緒だったので、急コースを登る。

この岩峰を越えると、目の前に目指す「無明橋」が現れる。 岩峰と岩峰の切れ落ちた、所謂、キレットにアーチ状の石橋が渡ってある。その長さは約2m、幅は1.2m程度であるが、 両側がズドーンと切れ落ちているので、その上に立つと少し足が震える。橋を渡ったところには 祠が奉られてあり、ここで行き止まりである。橋の手前には赤い手摺が設置されている。回りを見回すと、 いたるとこに手摺がある。以前は無かったので、安全の為に最近、設置されたのであろう。

この橋に立っているところの写真を撮るために、私は南に伸びるヤセ尾根の端へ移動した。 突端へ着き、ふと無明橋を眺めると、どうも仲間の姿が見えない。どっか行ったのかなと、カメラをズーミング すると、なんと無明橋に寝転び青空を見上げているのである。よくあんなところで、上を向き寝転べるもんだと 感心する。天気は快晴、青空いっぱい。さぞかし、気持ちよかったであろう。 しばらくすると、寝転びから立ち上がったが、なんと一人ではなく、二人が並んで寝転んでいたのである。 あんな狭い幅に二人が寝転んでいたのか。もし、寝返り打ったら・・・・・・。

久しぶりに訪れた無明橋は、その姿を変えず、天上にかかっていた。天気のポカポカ陽気で、 静かに我々を迎えてくれた。 とても、気持ちよい散策であった。また、いつか訪れてみたいもんである。

撮影:2003年1/12

川の中に佇む川中不動さん

切立った岩峰の下に佇む天念寺

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