ノハナショウブの頃・・・広谷 (6月)

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さすがに梅雨のシーズンである。昨日も一日中雨がよく降った。 朝目覚めると、梅雨の中休みであるのか、雨はすっかり止んでいた。 早朝まではまだ降っていたようで、庭の木々は雨露に濡れている。 雨に濡れた紫陽花を眺めていたら、広谷のノハナショウブが見たくなった。 早速、準備をし出かける。田んぼの草刈りは午後からしようと心に決めた。 行橋から平尾台へ上がる車道脇のミズキには白い花がいっぱいついている。 雨上がりの平尾台は草原の緑がとても奇麗だ。 今日は曇り空だが、透明度がかなり良く、天狗岩もはっきりと見える。 濡れた草木がみずみずしい。
茶ガ床園地には珍しく車は1台も止まっていない。天気が不安定な為かあたりに人は誰もいない。
中峠を越え広谷へ降りる。
ここにも誰もいない。
静かな湿原が佇んでいる。
時折、雨がパラパラを落ちてくるが、すぐに止む。
湿原へ下ると、紫色のノハナショウブがいっぱい咲いている。
先週よりは一段とその数が多くなっているようだ。
紫色の花弁は雨雫で濡れており、みずみずしくて奇麗だ。
湿原の隅ののほうにはコバノトンボソウも背を伸ばし、そのほっそりとした体を風に揺らしている。
その横ではモウセンゴケがちょうど花茎をもたげはじめている。
梅雨の中休み、湿原は夏の装いに息づいている。
木道に佇み、しばらくぼんやりとノハナショウブを眺めていた。
パラパラと、また雨が落ちてくる。
その時、向こうから一人の男性が降りてきた。
しっかりとしたカメラ機材を持っている。
木道で男性と立ち話をする。ふと見ると、ザックに「九州山ネット」のステッカーが付けられていた。
なんと「九州春夏秋冬」HPを運営されている「しんでんさん」であった。
ネットでの掲示板やメールでは以前よりお世話になっているのだが、お会いするのは始めてである。
お互いに突然の出会いに驚く。
出会いとは全て偶然の仕業であることを実感する。
しばらく立ち話し、分かれる。
時間がないので、今日は他にウロウロせず、そのまま帰ることにする。午後からは田んぼの草刈りが待っている。
梅雨の合間の時間は貴重だ。
中峠へ戻る坂の途中で、湿原を見下ろす。
天気は曇りだが、今日は透明度がよく、回りがよく見える。 鬼の唐手岩と周防台の間には滝不動ドリーネがあり、ちょうど鞍部になっている。
その鞍部の向こうには行橋市の町並みが広がって見える。
「ここから見えるところは行橋のどこなんだろう。」
今日は視界がよく、なんとなく町の建物を肉眼でも見ることができる。
双眼鏡替わりにデジカメを取り出し、ズーミングしてみた。はっきりとその建物が確認でき、驚く。
私の目が捕らえたのは行橋の中心である「行橋駅」であった。
真新しい高架の駅舎が白蛇のように横たわっていた。
なんでもない事なんだが、妙に嬉しくなり、平尾台を後にした。
梅雨の合間に、爽やかな風が通り過ぎた。 (2001/6/24)

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