春の息吹を感じて・・ (4月)

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野焼きから1ケ月も経つと、黒々だった草原もうっすらと緑色を帯びてくる。
荒涼としたモノクロームの世界がカラー写真に変わるように、いろいろな色がついてくる。
草原はしっかりと春の芽吹きが始まり、自然の息吹に満ち溢れている。
緑の芽吹きに、草原の羊たちも元気を得たように見える。
うっすらと色ついた草原の中を歩いてみた。
羊たちの色もこころなしか、白くなったような気がする。
「おい!元気か?」と羊たちのお尻をたたくと、パンと小気味いい音がした。
「ホ〜ホケキョ」
近くの林の近辺からウグイスの声が聞こえる。
羊の上に乗り、しばらくぼんやりと草原を見ていた。
斜面を上がってみた。
今日は一段と風が強い。稜線を歩いていると吹き飛ばされそうになるほどだ。
足元の石影を覗いてみると、オキナグサが咲いていた。強風に震えながら、しっかりと立っていた。
全国的に盗掘でその姿は激減しているという。
寂しいもんだ。身勝手な人間のために・・・。
頬ずりをしたら、ピクンと揺れた。
草原は春の植物で賑やかになってきた。 青空向かって真っ直ぐに槍先を突き上げるセンボンヤリ。 そして、白い石灰岩の砂に青紫色の瞳をパチリと開けたホタルカズラ。 毎年、その姿をきっちり見せてくれる。
うれしいもんだ。
ゼンマイやワラビもその首をもたげようとしている。
羊たちの足元には、ヤブレガサがあちこちでその小さな傘を半開きにしようとしている。
まるで、小さな妖怪たちが羊たちと遊んでいるかのように・・・。
「おいおい、俺も一緒に混ぜてくれよ!」と声を掛けたくなる。
開けた草原の斜面へ出てみた。
地面に顔を近づけると、小さなスミレたちが大きな顔を開いていた。
春の日差しが、小さな花たちを温かく包み込んでいる。
午後の光が草原を斜めに照らし始める。
うっすらとした緑が霞んで見える。
強かった風も少し弱まったようだ。
さあ、これから春本番だな。
(2002/4/7、13)

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